2007年07月10日

新・目黒の秋刀魚

 えー、その昔の、と申しましても江戸の頃でございますが、ご身分の高いお方というのは、下々の暮らしというものをご存知ありません。

 風も少しばかり涼しくなった秋のはじめ頃、お殿様がご家来衆をお連れになりまして、目黒不動参りをかねて、ちょっとばかりの遠出をなさいました。今、目黒といえば東京の高級住宅街でございまして、千葉で申しますと市川のようなところでございますが、なにせ当時は田んぼと野原の広がる郊外、WEBスラングで「土井中」でございます。

 お着きになった頃にはすっかり日も高くなり、ご一行、すっかりお腹をすかせておりましたところ、なにやら香ばしい煙が漂って参ります。ご家来の1人がたまらず「かような腹ペコの折には、ぜひ秋刀魚の茶漬けなぞ食したいものだ」と申しましたところ、それを聞きつけたお殿様、その秋刀魚とやらを食してみたくてたまらなくなりました。

 おだやかな秋の風にのって脂ののった秋刀魚の焦げるいい香り・・・。お殿様、ついに家臣を及びつけになりまして「わしも是非秋刀魚とやらを食してみたい。だれぞ買うて参れ」とお申し付けになりました。
 
 さてさて、思わぬ大金で焼きたての秋刀魚を売った農家の主もホクホクならば、生まれてはじめて秋刀魚を食すお殿様も、「わしもこの年になるまで、このようにうまい魚があったとは知らなんだ」と、ことのほかホクホクであったということです。

 そしてお屋敷にお戻りになったお殿様、秋刀魚の味が忘れられず、来る日も来る日も秋刀魚が食膳にのぼるのを待ち望んでおりましたが、どうも一向に出てこない。しびれをきらしていたところ、たまさか親戚筋に御呼ばれになった際、「今宵の夕餉にはお好きなものを何なりとお申しつけくださいまし」とご家中の者に言われたものですから、お殿様、ここぞとばかりに「秋刀魚。目黒の秋刀魚をいただきましょう」と正直にお申しつけになりました。

 しかし、困ったのは当のご家中。秋刀魚のような下魚を、お殿様にお出しするわけには参りません。ましてや、目黒とは訳がわかりません。そこで、一計を案じたご家中、日本橋の魚河岸よりマグロをとり寄せ、豪勢な料理を「秋刀魚でございます」とお出しいたしました。

 一口箸をつけるなり、お殿様、「むむ、これはどこの秋刀魚じゃな?」とお問い詰めになりました。さすがにお殿様の舌は誤魔化せなかったかと、家中のものうなだれて「申し訳ございませぬ。これなるは、日本橋の魚河岸で求めたマグロにございます」と正直を申し上げました。

 すると、お殿様、




「ほう、これはうまい。秋刀魚はマグロにかぎる」

posted by 何丸 at 18:47| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月14日

「わらしべ長者」

あるところに、まずしい旅の若者がおりました。

若者は、住む家もなく、

あるとき、

荒れた小屋の中で眠ってしまいました。



すると、夢に神様がでてきて、こう言いました。

「若者よ、朝起きて、いちばん先に手にしたものを大切にせよ。

そうすればお前は大金持ちになれるだろう」



若者は、はっと目がさめました。

「なーんだ、夢か」

と若者は思って旅立とうと小屋を出て

さいしょの階段を下りようとしたところ、

ズコッ!

若者は足をすべらせて階段を落っこちてしまいました。



「いててててて。てが5つ」

若者はゆっくりと立ち上がろうとしました。

そのときです。

若者の手には、1本のわらしべがにぎられていたのです。



「あ、これは、夢のおつげのとおりだ!」



若者は、わらしべを大切に箱にしまうと、歩き出しました。

すると、顔のまわりにハエがブンブンまとわりついてうるさいのです。

若者は、ひらめきました。

「そうだ、草から殺虫成分をとりだして、水にまぜてふきかければいいんだ!」

若者は、神経をすりへらして研究にうちこみ、ドキドキしながら新製品を売り出しました。

名前は、あまりにドキドキしていたので「キンチョースル」にしました。

すると、どうでしょう。

キンチョースルはみるみる売れて、若者はお金持ちになりました。




若者がキンチョースルを持って歩いていると、今度は向こうから、

赤ちゃんがやってきます。

赤ちゃんが虫にさされそうで困っていたお母さんに、

「虫除けキンチョースル」をあげると、お母さんがおいしいみかんをくれました。

若者は、そのみかんを食べているうちに、ひらめきました。

「そうだ、こんなおいしいみかんは、絞ってビンに入れて売ったらいいかもしれない!」

若者は、さっそくみかんで有名な愛媛のまじめな農家にお願いして、

新商品を開発しました。

愛媛のまじめな「ビン・ジュース」です。

ビンジュースは、売れに売れて、若者は、さらにお金持ちになりました。




若者がビン・ジュースを飲みながら歩いていると、女の人がうずくまって困っています。

若者が「どうかしましたか?」と声をかけると

「持病の胃痛が・・・」と言います。

若者は、前に胃痛にセンブリという苦い草が聞くときいいていたので、

ためしに飲ませると、女の人は症状がおさまりした。

「そうだ、センブリを胃薬に加工して売れば、売れるかもしれない!」

こうして生まれた胃痛にきく「センブロック」は売れに売れて、

若者はさらにお金持ちになりました。




女の人に、お礼に黒い反物をたくさんもらった若者は、

それを元手に子ども服をたくさんつくって、

「コニクロ」というブランドをたちあげ、工場を中国に移して、大当たりし、

さらにお金持ちになりました。



こうして、次々と新商品を生み出してお金持ちになった若者の枕元に、

ある日、また神様があらわれました。

「若者よ。私が言ったとおりに、わらしべを大切にしたか?」




夢の中で若者は答えました。

「はい。今では厳重にスイスの大型金庫内にしまってあります」

すると、神様は顔を真っ赤にして怒りました。




















「バカモン!ワシは、


わらからバイオエタノールを抽出して、


エネルギー王になれと言いたかったんじゃー!」


若者は、お金持ちにはなれたのですが、大金持ちにはなりそびれたようです。



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posted by 何丸 at 17:53| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月16日

「長靴をはいた猫」(作品321)

あるところに、

顔色の悪い猫がいました。

なんで顔色が悪いかって?

都合だよ。大人の都合。




うっぷ。

ごげ。

ぶおろぶおろぐへっほもへっぽびゅおわっっ!!!!

猫の口から何かが出てきました。

猫は、出てきたものをていねいに洗うと、

こう言いました。

「しょうがない。足にでもはくか」




猫が歩いていると、

見るからに元気のない若者が、

しょぼくれていました。

「どうせ、ボクなんか、ダメ男なんだ。ボクなんかっ!」

猫はそんな若者にやさしく声をかけました。




「おい、ダメ男」




すると、若者は怒って猫のしっぽをつかんで持ち上げました。

「自分でダメ男って言ったじゃんかよー」

猫は抗議しましたが、さすが猫だけに、

人を見る目はなかったのです。

若者はこう言いました。

「おい、猫。ボクをお金持ちにしろっ!」

猫は、こうこたえました。




「にゃー」




さすが人間だけに、猫を見る目はなかったのです。

猫は、まじめにこうこたえました。

「わかりました。わたしのすばらしいアイデアで、

あなたをお金持ちにしてあげましょう」

すると、若者は、こう言いました。

「アイデア?いらんね、そんなものは」

猫は不思議に思って聞きました。

「アイデアはいらないって?

じゃ、どうやってお金持ちになるつもりなんですか?」

若者はこうこたえました。




「『志村どうぶつ園』と『どうぶつ奇想天外』に出すのだ!」




猫は、若者にまんまとつかまり、

「長靴をはいた猫」として見世物にされました。

そして、ペディグリーチャムをたくさん食べて暮らしました。

人気も上昇、川島なおみも、

犬をやめて長靴をはいた猫を飼いたいと言い出す始末です。

猫はすっかりタレント気分です。



しかし、若者は猫に、これだけはと約束させていました。

「いいか、ぜったいにしゃべるな。

しゃべったら、長靴が目立たなくなる。

お前はただの猫になっちまうぞ!!」

猫は、なるほどと思い、

人前では決してしゃべらなかったそうです。




ほんとは「にゃるほど」って思ったんですけどね。



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posted by 何丸 at 18:51| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月22日

「ジャックと豆」

あるところに、ジャックという男の子がいました。


ジャックの家は貧しかったので、


あるとき、最後に残ったやせ牛を1頭、


売りにいくことになりました。


「なるべく高く売ってくるんだよ」


お母さんは、心配そうに言いました。


「だいじょうぶさ!」


ジャックはそうこたえました。


「本当かい?だまされるんじゃないよ!」


お母さんが念のためにもう一度言いました。


「もっと信用しなよ」


ジャックは自信をもってそうこたえました。


「牛をウシなうんじゃないよ!」


お母さんが最後にそう言うと、


「しつこいな!100人乗ってもだいじょうぶだよ!」


とジャックは言い捨てて、市場に向かいました。





ジャックが牛をひっぱって歩いていると、


一人のあやしいおじさんが声をかけてきました。


「その牛を、このすばらしい豆と交換せんか?」


ジャックは、こう言いました。


「でもー」


おじさんは、こう言いました。


「今なら、ソフトキャリングケースと解説ビデオがつきます」


ジャックは、こう言いました。


「だけどー」


おじさんは、さいごにこう言いました。


「送料金利手数料は全てジャッパネットが負担します」


すると、ジャックは、こう言いました。


「うん!」


すると、おじさんは、変装マスクをはずしました。


そこにいたのはお母さんです。


「やっぱり、アンタって子はっ!」





次の日、ジャックはまた牛を売りに行くことになりました。


ジャックが牛をひっぱって歩いていると、


一人のあやしいおじさんが声をかけてきました。


「ちょっと手相を見せてもらえませんか?」


ジャックは、こう言いました。


「でもー」


おじさんは、こう言いました。


「今、手相の勉強中なんです」


ジャックは「じゃあ」と手を出しました。


おじさんは手相を見るなりこう言いました。


「あー、これは豆を手に入れないと、


最悪、いつか死にますね。豆と牛を交換しますね?」


すると、ジャックは、こう言いました。


「うん!」


すると、おじさんは、変装マスクをはずしました。


そこにいたのはお母さんです。


「やっぱり、アンタって子はっ!」






次の日、ジャックは、またまた牛を売りに行くことになりました。


ジャックが牛をひっぱって歩いていると、


一人のあやしいおじさんが声をかけてきました。


「ちょっとアンケートに答えていただきたいんですけど」


ジャックは、こう言いました。


「でもー」


おじさんは、こう言いました。


「抽選でWiiが当るんですけど」


ジャックは「じゃあ!」とアンケートを書き出しました。


アンケートの1問目はこうでした。


「Q1 あなたの牛とすばらしい豆を


交換しないわけはありませんね?」


ジャックは


「はい」


に丸をつけました。


すると、おじさんは、変装マスクをはずしました。


そこにいたのはお母さんです。


「やっぱり、アンタって子はっ!」





ジャックは、とうとう失格となり、


牛はお母さんが売りに行くことになりました。


お母さんが牛をひっぱて歩いていると、


携帯に電話がかかってきました。


「あ、お母さん?俺。あのさ、事故っちゃって。ごめん」


お母さんが「アンタって子は!」と叫ぶと、警察が出てきました。


「お電話替わりました、オレオレ署の者です。


示談にするためには、至急、


すばらしい豆と牛を交換しないといけません」








お母さんは、急いで


牛とすばらしい豆を交換しに行きましたとさ。


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posted by 何丸 at 18:41| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月07日

「コブトーリじいさん」(作品287)

チェーラ、ウーナボルタ・・・

むかしむかし、

イタリアのアルトコローニという村に、

コブトーリじいさんが住んでいました。



コブトーリじいさんが、山で白トリュフをとっていると、

いつの間にか、あたりは暗くなってきました。



「いかんいかん、そろそろ家に帰らなくては」



そう思ったコブトーリじいさんが、引き返そうとすると、

♪帰れなーい、帰れなーい、あったかいわが家がありません♪

という歌がきこえてきました。


デーモネ(鬼)です。



コブトーリじいさんが身をかくすために木にのぼると、

デーモネたちは、その木の下で

マデーラを飲みながら宴会をはじめました。



お酒がまわってくると、デーモネたちは

「ダンツァ!ダンツァ!」と踊り出しました。



あまりに楽しそうに踊っていたので、

つい、コブトーリじいさんも、踊り出したくなり、

いつの間にか木をおりて、いっしょに踊ってしまいました。



すると、デーモネたちは、口々に


「ウン・ビリエット・ア・ローマ・アンダータ・エ・リトルノ!」


「オッディーオ!ミアンノルバート イルポルタフォッリォ!」


などとはやしたて、大喜びです。



デーモネたちは、楽しかった時間のお礼として、

コブトーリじいさんに何かプレゼンテをあげることにしました。


「ヴェラメンテ!?」


じいさんは、たいそう喜び、

こう言いました。



「バスタ・グラーツィエ。

スタンミ・ベーネ!」



デーモネたちは、笑って帰りました。



それを聞いた、となりの欲張りなイッジワルーナじいさんは、

自分も何かプレゼンテをもらおうと、

木の上にのぼってデーモネたちを待ちました。



デーモネたちがやってきて、宴会をすると、

イッジワルーナじいさんもおりてきて、いっしょに踊りました。



でも、イッジワルーナじいさんは、踊りがとても・・・



なんというか・・・



見ていると・・・



めちゃくちゃ・・・
















うまかったので、

やっぱり、プレゼンテをくれるとデーモネたちが言いました。



イッジワルーナじいさんは、

こう言いました。












「バスタ、グラーツィエ(もう十分です。ありがとう)

スタンミ・ベーネ(お元気で)」




メデターレ・メデターレ


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posted by 何丸 at 17:02| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月19日

「うさぎとカメ」(作品277)

うさぎとカメが競争することになりました。



うさぎ 「まずは、どっちの耳が長いかだ!」

うさぎが勝ちました。



カメ 「じゃ、どっちの甲羅が硬いかだ!」

カメが勝ちました。



うさぎ 「どっちの目が赤いかだ!」

うさぎが勝ちました。



カメ 「どっちのほうがスッポンに近いかだ!」

カメが勝ちました。



うさぎ 「どっちが、絵本の主役になってるかだ!」

うさぎが勝ちました。



カメ 「どっちが、カメっぽいかだ!」

カメが勝ちました。



勝負は2日2晩続きましたが、一進一退、互角の勝負です。

どちらにも疲れが見え始めたころ、

うさぎが、こう言いました。


うさぎ 「このままではラチがあかない。

ここは、向こうのお山までかけっこしよう!」

そう言いました。


カメは、

「いいだろう。のぞくところだ」

と言いました。


うさぎは、『のぞむところだ、だ』と思いましたが、

めんどくさいので注意しませんでした。



「ようい、どん!」


うさぎとカメは、スタートしました。

うさぎは、ぴょんぴょんはねて、すごいスピードで進みました。

どのくらい時間がたったことでしょう。


「そろそろ、ここらでひと休み。昼寝でもするか」

そうつぶやくと・・・














カメは、ぐうぐう寝てしまいました。



カメが寝ている間も、うさぎはどんどん走りつづけました。


「あ、いけない!」


ついつい寝過ごしたカメは、ケイタイを取り出すと、電話しました。


「うん、そうそう。そこのゴールのとこで待ってて」


うさぎは、ずっと休まず走りつづけて、

ヘロヘロになりながらゴールの手前にやってきました。

もうろうとする意識の中で、うさぎは見ました。

カメが、もうゴールのところでブレイクダンスを踊っているのです。





「ま、負けた」




そうつぶやき、ガックリと肩をおとした・・・














































カメは、ケイタイのムービーで送られてきた、

うさぎのブレイクダンスのうまさにほれぼれとしました。

posted by 何丸 at 11:41| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月05日

「赤鼻のトナカイ」(作品252)





あるところに、赤鼻のトナカイがいました。


「やーい、やーい、赤鼻のトナカイやーい!」


トナカイは、いつもからかわれていました。


「このトナカイは、おとなかい?」


トナカイは、たまにダジャレのタネにつかわれました。


トナカイは、そのたびに抗議(こうぎ)しました。



















「や、やめてください・・・・・・・・サンタさん」


こういう上司のイジメを「パワーハラスメント」といいます。




トナカイの仕事は、子どもたちに、プレゼントを配ることです。


いえ、正確に言うと、


プレゼントを配るサンタさんと


プレゼントをのせたソリをひっぱるのです。


とてもやりがいのある仕事のようですが、


じつは、問題がありました。


ひとつめは、世界中の子どもにプレゼントを配ること、


ふたつめは、世界中でプレゼントを配る子どもが


ぜんぶで10億人くらいいるということ。


みっつめは、クリスマスイブの


10時間以内に配らなくてはならないこと。


よっつめは、つまり、


1時間で1億個のプレゼントを配ること。


いつつめは、つまり、1分で約167万個、


1秒で約2万8千個を配らなくてはならないこと。


むっつめは、10億個のプレゼントの重さが、


1つ平均500グラムとして、5億キログラム、


すなわち50万トンであること。


ななつめは、サンタさんが太りすぎで


体重が120キロもあること。


やっつめは、そんな大変な仕事をしているにもかかわらず、


給料が出ないこと。


ここのつめは、


「ココナッツめ!」に似ているということ。





こんな劣悪(れつあく)な職場がほかにあるでしょうか?


トナカイは、ついにクリスマス間近になって逆ギレしました。


「あのね、サンタさん!


ぼくは、すごく大変な思いをして毎年がんばっているんです!


だから、ぼくをからかうのはやめてください!」


サンタさんは、びっくりしました。


そして、トナカイにこういいました。


♪暗い夜道は


♪ぴかぴかの


♪お前の鼻じゃ


♪役立たない


トナカイは、クビになりました。


こういうのを「リストラ」といいます。



サンタさんは、かわりに、


最新鋭のマシンを三菱重工に注文しました。


トナカイは、ようやくつらいボランティア活動から解放されました。


でも、ちょっとさびしい気持ちもありました。


子どもたちの喜ぶ顔が見られなくなったからです。


「今ごろ、子どもたちは、どうしているかな」


トナカイがそう思いながら黒豆ココアを飲んでいると、


突然上空にサンタさんが現れて、こう言いました。






「このマシンは、うるさすぎて子どもが起きちまう!


たのむ、てつだってくれ!お前しかいない!」






「お前しかいない」





そのことばが、トナカイをふるいたたせました。


トナカイは、おもいっきり地面をけると、


さっそうとクリスマスイブの夜空をかけめぐりました。


珠(たま)のような汗をしたたらせるトナカイに、


サンタさんが、声をかけました。







「トナカイや、ありがとうな」






トナカイは、ちょっと感動しました。


サンタさんは、続けてこういいました。







「ところで、トナカイは、おとなかい?」







静かな雪のふるクリスマスの夜空。


重力加速度9.8m/秒2で速度を増しながら、


秒速30メートルでサンタさんは落下していました。


(おわり)
posted by 何丸 at 16:50| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月20日

「フェチ王子」(作品211)

王子「シンデレラおはよう!目が覚めたかい?」

















































シンデレラ「あのう、足と靴に向かって話しかけるのやめていただけませんか?」








王子「いや、これは失礼。






















































      ・・・・・どなたかな?」
















































シンデレラ「シンデレラの『顔』のほうですわ」


















王子「そういえば、見覚えがあるぞ。足に似て色が白いな」




















シンデレラ「足しか興味ないんですかっ!」












































王子「靴だって好きだ」





































シンデレラ「足と靴しか興味ないんですか!」










































王子「靴下だって好きだ」




































シンデレラ「やれやれ。これからは、顔にストッキングをかぶろうかしら」





































王子「おおおおおおおっ!」

















シンデレラ「・・・じょ、冗談ですわ」



























王子「じゃ、じゃあ、私が・・・」





















シンデレラ「おやめくださいっ!王子様は、ほんとうにわたくしを愛しているのですか?」













































王子「あ○しているよ」





























































シンデレラ「いま、○がブランクでしたわ」









































王子「いやだなあ。キミのことは、足のつま先から、・・・まで愛しているのにい」



























































シンデレラ「付け根、って言った。」


















王子「・・・とにかく、キミとの話は、これでおしまいだ。ぼくは、これから大事な話があるんだ」
































シンデレラ「はいはい、わかりました」
































































































王子「・・・ねえ、おはよう、ってばあ・・・」







シンデレラ「足と話か!」



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↑靴が小さすぎると、キュ〜くつ〜な人は、ランキング応援などいかが?
つけたし
posted by 何丸 at 16:25| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月29日

「このお話のタイトルは何でしょう」(作品128)

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何丸何位?


グレーテル「おにいちゃん、あんなところに家があるよ!」




ヘンゼル「ほんとだ!一晩泊めてもらおう」




グレーテル「あれ?なんかこの家、変だなあ」




ヘンゼル「ほんとだ。なんか、この赤い壁から変な臭いがする」




グレーテル「わかったわ!おにいちゃん、これ、よっちゃんイカだわ!」




ヘンゼル「ほんとだ・・・言われてみれば、たしかに」




グレーテル「この緑のドアは酢コンブよ!」




ヘンゼル「この家の外装は、基本的に酢漬けだ」




グレーテル「ドアが開いてる・・・あ、この柱、やわらかい!」




ヘンゼル「かなり確実に『ふ菓子』だ」




グレーテル「このクッションは串カステラとニンジン、スツールはヨーグルとプチプリン、お風呂はぶためんのカップ・・・」




ヘンゼル「ベッドは『うまい棒』でできてる。しかも全種類だ!」




グレーテル「すごいわ、この家!」




魔女「おやおや、お気に召したようだね」





























































ヘンゼルとグレーテル 「あ、ラーメンばばあ!」 




魔女「ちがーう!」 


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つけたし
posted by 何丸 at 00:56| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月26日

「ひとくちおとぎ話」(作品58)

いつも応援ありがとうございますです。

今日は何位でしょうか?





一度も笑ったことのないお姫様を心配した王様は、また国中におふれを出しました。「姫を笑わせた若者は姫と結婚させてやる」若者たちは、また姫を笑わせないように細心の注意を払いました。




「いいかい、この魔法は12時までだからね」魔法使いのおばあさんはシンデレラにそう言ったあと続けました。 「そのあとは延長料金だからね」




「うそをつくと、鼻がどんどんのびてしまうのです。何でも正直に言いなさい」女神様にそう言われてピノキオはいいました。 「めがみさまのぱんつが見たいです」




「お母さんですよ、あけておくれ!!」途中でドロ沼にはまり、ノドの具合を悪くした母さんヤギは、さむいドアの外で必死に「かぞくだけのひみつ100問」にこたえていました。




オオカミは、息をふきつけるのをやめ、ドアをたたきました。「あのう、NHKですけど」
衛生カラー契約の弟ブタは2340円をもって出てきました。




浦島太郎は、乙姫を呪いながら、 「マイク真木」と名乗ることにしました。




枯れ木に花を咲かせているおじいさんを見上げたお殿様は、びっくりしていいました。 「あぶないよ」




人魚姫は、口がきけないので、王子様に何度も体じゅうでうったえました。 「それは人面魚だろっ!!」




3つの願いを考えついた男はいいました。「さいしょの願いは、願いの数を無限にしろっ!!」巨人はいいました。 「いるいる、そういうやつ」




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つけたし
posted by 何丸 at 07:13| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月20日

作品2 「おとぎばなしワールドニュース」

みなさんこんばんは。7時の『おとぎばなしワールドニュース』の時間です。
本日火曜日は、わたくし
「伝統軸組み工法で木の家を建てたのに吹き飛ばされた2番目の兄さんブタ」
がお送りいたします。
まずは、さいしょのニュースから。

「痴漢王子、逮捕」
さきほど、森のガラスのひつぎで眠っていた若い女性に、
とおりがかりの王子がいきなりキスをするという事件が発生、王子は
「かわいかったのでつい」
と事実を全面的に認めているもようです。

背の低い鉱山労働者の話
「ええ、あんまりです。
ぼくたちはみんなずっと彼女を好きだったのに、
いきなりあんなことがゆるされるでしょうか。
ルックスが良くてお金を持っていれば何でもゆるされるなんて、
ぼくたちはゆるせません」

被害者の白氷姫さん(19・仮名)の話
「わたし、最初は何がなんだかわからなくて。
ただ、いきなりキスなんてひどすぎます。
そのあと『結婚しよう』なんて。
女性を外見だけで判断しているとしか思えません」


「赤ずきんさん、ゆくえ不明」
昨日昼ごろ、近所の人気者で知られた赤ずきんさん(14)が、
おばあさんの介護に向かった途中で連絡がとれなくなり、
捜索願いを受けた警察がおばあさん宅を訪れたところ、
おばあさんも行方不明になっていることがわかりました。
警察は2人が何らかの事件にまきこまれたと見て捜査しています。

たまたま近くを通りがかったオオカミさんの話
「うーん、ゲップ だれかー
ちょっとわかりませんねえ。
ゲップ 助けて〜
ちかごろぶっそうですからねえ、
ゲップ とけるー


「ピノキオ裁判」
「うそつき凶悪犯ピノキオ」の第一回公判がおとぎの森地裁で開かれました。
逃亡先の日本に潜伏中、テングという名前で周辺の住民に恐怖を与えていたピノキオは、
ゼペットじいさんの説得もむなしく、
数十人の警官隊にとりおさえられ、拘留されていました。
裁判の中でピノキオは、一言
「ゼペットじいさん・・・ごめん」
と詫びたと伝えられていますが、
その瞬間ハナが伸びたため、
法廷は一時騒然となり、裁判は一時中断しました。


「7匹の子ヤギ、ゆくえ不明」
昨日昼ごろ、お母さんヤギが買い物に出た留守中、
子ヤギがゆくえ不明になるという事件が発生しました。
室内は足のふみ場もないほどあらされており、子ヤギの生存は絶望的、
という見方も出ています。

たまたま近くで昼寝をしていたオオカミさんの話
「はあ。ゲップ おーい
ちょっとわかりませんねえ。
ゲップ せまいよー
さいきんおそろしい事件が続いてますねえ、
ゲップ みんなでうんこするぞー


「強盗事件の容疑者指名手配」
先週オニさんらの住む島全体をおそった男の身元が判明し、
警察は全国に指名手配しました。
男の名は「桃太郎(ももたろう)」、
年齢は15歳から20歳と見られ、
身長1m90cm、盗まれた金銀財宝は、時価5億円とも言われております。
なお、武器を所持しているほか、
凶暴な動物を3匹連れているとの情報もありますので、
発見した場合はくれぐれも近づかないようご注意ください。

容疑者を知る男性の話
「なんかさ、みんなぼくの話はよく知らないんだよね。
クマとスモウする人だと思ってんだよね。
で、あいつばっかり有名になってさ。つかまればいいよ」


「かぐや姫、帰宅」
先月、「月」に帰ったと思われた人気アイドルかぐや姫さんが帰宅しました。
なんでも家族が「月」と「スキー」を聞き間違えたそうで、
思わぬ再会に、家族は泣きながらよろこんでいたということです。
それにしても「月」と「スキー」、たしかに似てますよね。


「海岸で虐待?」
本日昼ごろ、海岸で高齢の男が、
ウミガメにむかって暴行をはたらいているところを
近所の子どもたちが見つけ警察に通報し、
男は動物虐待の現行犯で逮捕されました。
男は知り合いの女性から受取った悪意のこもったプレゼントを受け取って被害を受け、
むしゃくしゃしてやった、と自供しているもようです。


「親指姫、改名へ」
昨日の発表によると、結婚後体重が増し始めた親指姫が、
ついに手の親指の太さを超えて、
1.5倍ほどのサイズになっていることが判明しました。
命名委員会では、検討を重ねた結果、
「実情をともなわない命名は子どもの情操教育にとっていかがなものか」
という意見で全会一致し、当面の間
「足の親指姫」
と呼ぶという措置をとることにしました。


「わらしべ長者、もとのもくあみ」
世界一の金持ちで知られる「わらしべ長者」さんが、
わらの先にハエを結んで遊んでいる少年を見て
なつかしさのあまり、全財産とわらしべを交換してしまうという
前代未聞の珍事が発生しました。

わらだけに、わらってしまいますね。

ではまた明日。



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何丸より
posted by 何丸 at 20:17| 新おとぎ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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