2007年03月09日

「モクレン」

「ほら見て、ハクモクレン」


「わ。きれいだな」


「桜は早いから、卒業にはモクレンが似合うよね」


「大学、決まったんだってな」


「うん。ダメだと思い込んでたけど」


「俺は東京には縁がなかったわ」


「…一緒に東京、行きたかったな」


「お、いいのかな?そんな思わせぶりな発言わ(笑)」


「ほんとだよ。今の気持ち」


「んなこと言って、夏には彼氏作って戻ってくんだから、どうせ」

「そんな、モテないって」


「いや、おまえはモテるよ。おまえ、性格いいしさ」


「おー、わかっとるねえー」


「な、約束、してくれないか?」


「何を?」


「笑うなよ。東京に行っても…次にモクレン咲くまで…彼氏、つくんないでくれ」


「えっ…」


「俺、浪人することに決めたんだ」


「第2志望受かったのに」


「第1志望以外、考えられないんだ。俺の第1志望は…」


「言わないで。わかった。わたし、向こう行ったら、こう言っていいんだよね?『彼氏、います』って」









「ああ。イクラでも」

寿司屋「はい、軍艦ね」


先生「高木、そういう注文よしとこな」
posted by 何丸 at 19:32| 男子高生高木伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月09日

「ええじゃないか」

人の理性の力が腕力とするならば、

エモーション(情動)の力というものは

脚力以上もあるという。



げに人の心というものは

我が身なれど考えに任せぬもの。


ことメランコリーに親和な人物は、

ついつい物事を悲観的に捉えがちで、

気付いた頃にはしばしば

スパイラルな憂鬱に嵌ってゆく。



当人でさえ抗えない

悪化するばかりの気分に対し、

いったい他人の僕に何ができよう?



アドバイスに何の意味がある?



いくつものシミュレーションを繰り返し、

ダブルバインドに陥っている事実を明白に知りながら、

尚も気分のゆくがまま、

たゆとう波に身を任せる人に何ができよう。



彼等ときたら、

決まって底を見にゆくのだ。





底無しかもしれないのに。





諦めが悪く、極端で、

貪欲で、無気力で、

露骨な愛情を欲し、

憎悪と共にあり、

誰と過ごそうとも常に孤独で、



悲しいほど寂しい人。





何もかも壊してしまいそうな人。







そんな人に僕はいったい、何ができるだろう。







僕が言えることは、ただ一つだけだ。





僕はあなたの欲しいものは何もあげられないよ。






ただ、





















君が死んだりしないように祈るよ。




友人「高木も乗れよ、




『ええじゃないか』」
posted by 何丸 at 21:57| 男子高生高木伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月26日

「クリスマスと正月の間」

「冬の雨って…冷たいだけだね」




いくらか水の染みたブーツの先を見つめて君がつぶやいた。




「クリスマスイブは楽しかったよ。これはほんと」




「じゃ、今は?」




君は答えを迷いながら、本当でも嘘でもない返事を探していた。





「あのさ、」





今年はイチョウの葉がまだ残っていた。今日の雨でかなり落ちるだろう。かなり。





「私、期待、しすぎちゃうみたい」





もし、今が、あのクリスマスイブの夜なら、僕は君の思い過ごしだと言えたはずだ。





「私、わかるの。これからどうなっちゃうか。私ね、きっとね、きっとね…」





クリスマスと正月の間のイルミネーションは、雪にならない冷たい雨がよく似合う。特別でもなんでもないこんな日に、僕は自分のしていることの意味を見失っていた。

















先生「大掃除だ、高木。」



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↑もうちっとで10位。ランキング応援などいかが?
posted by 何丸 at 19:37| 男子高生高木伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月06日

「マナー違反」(作品106るりり)

「おい、キミ、ここは携帯禁止だぞ」




「は?メールしてるだけですけど」




「ここは、メールも禁止だ。電源を切るんだ」




「誰にも迷惑かけてないんですけど?」




「いや、迷惑かけてるよ。マナーを守りなさい」




「うるせえよ、オヤジ」




「メールしたいなら、他の場所へ行きなさい」




「だったら、おめえが行けよ!」




「心臓にペースメーカーを入れている人はね・・・」




「うるっせ。どこにいんだよ。そんなヤツいたら、手を上げろよ。いねえじゃねえかよ」




「キミね、いてもいなくても、気にするのがマナーだよ」




「マナーなんて、どうでもいいんだよ。ほっとけよ」




「ほっとけないね。キミの態度は、さきほどから、失礼だよ」




「てめえも失礼なんだよ。てめえ、次の駅で降りろ」




「望むところだ」




「むかつくオヤジ。てめえをボコってやんよ」




「わたしは、こう見えても、柔道5段、空手6段、剣道2段だ。やすやすとはやられんぞ」




「・・・。ち、ち、ちげえよ。ボコ、じゃなくて・・・ポコだ」




「なんだ、ポコって?」




「・・・んと・・・不二家のに決まってんだろっ!」




「ポコちゃん?」




「そ、そうに決まってんだろ。・・・暴力反対!」




「なんで私がポコちゃんなんだ?」



















































































「俺が、ペコちゃん」


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↑こんな謝り方でも許せちゃう人は、ランキング応援などいかが?


つけたし
posted by 何丸 at 17:21| 男子高生高木伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月21日

「そばで」(作品199)

「甲子園、残念だったね」




「俺の青春は終わった」




「その土、どうするの?」




「青春を残しておくんだ。このマウンドの土に俺の青春の汗がにじんでいる」




「男の人って、ロマンチックだね」




「男は、勝ちたがる生き物なんだ。そして、いつか負けることを知る・・・」




「勝負は試合だけじゃないよ。ううん。これからが、キミにとっての本当の勝負だよ」




「ありがとう。これからの勝負か。受験で頑張る、てなもんかな」




「違うよ。キミが夢を探して、夢をかなえるための勝負だよ」




「夢か。甲子園で優勝して、ドラフトで指名されるのだけが夢だった。だから、今は何も思いつかん」




「キミは、今は、それでいいよ。私は、今・・・夢を見つけた」




「どんな夢だい?」




「キミが新しい夢を探してかなえるのを・・・ずっと・・・・そばで・・・そばで・・・
































































そばでお願いします」




立ち食いそば店員「天ザル、そばで一丁!」


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↑そばでお願い!
つけたし
posted by 何丸 at 18:25| 男子高生高木伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月26日

「放課後」(作品193)

「あたし、なんか放課後って、好き」




「授業終わるとホッとするよな」




「ううん。そうじゃないの。ここから、グランドを眺めるのが好きなんだ」




「放課後の校庭か。どれどれ。君が見つめているのは誰かな?」




「ばーか。見たって、いないよ」




「じゃ、憧れの彼を見てたわけじゃないのか?」




「そ、そんなこと…。ううん。そう。そうだよ」




「なーんだ、やっぱそうじゃん」




「でも、今はいないよ。きょ、今日は、今日は…追試だったから…あ、あたしと、バカなあたしと一緒に…」




「そんなん俺とお前の二人だけ…じゃん。ま、真由子…そんなことは、もっとな、早く、早く、早く…



















先生「早く帰れ、高木」




高木「まねしないで、先生。」

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↑ランキンぐ!
posted by 何丸 at 20:37| 男子高生高木伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月14日

「保健室」(作品183)

「来ちゃった」





「あ、君も具合い悪くなったの?」





「うーん、一応、そゆことにした」





「まさか仮病つかったの?」





「そだよ。ダメ?」





「感心しないな、そういうことは」





「優等生なんだ。わかった。教室帰るよ。…廊下で泣いてから」





「なんかあったの?」




「なんでもない。心がいたいだけ。病気よりずっと辛いこともあるんだよ」





「そうか。良かったら話聞くよ」





「ううん。それは酷だよ。優しさが人を傷つけることあるよ」





「僕が傷つけたのかい?」





「ちがう。これから傷つけるの。たぶん」





「よくわからないけど、僕はどうしたらいいの?」






























保健の先生 「独り言やめて寝なさい」





高木「は、はい」

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↑あのね、10位には入りたいの。
つけたし
posted by 何丸 at 09:30| 男子高生高木伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月09日

「掃除の時間」(作品164)

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応援してね



「くそっ、開かねえ。おいっ!開けろ!開けろってばよっ!」





「よしなよ。そのうち開けるんだから、どうせ」





「こんな掃除用具入れの中に閉じ込めやがって!」





「いいじゃない。わたし、嫌じゃないよ」





「えっ?だ、だって、狭すぎだろ?」





「もうすこし、くっつけばいいよ。ほら」





「わわわ!おい、や、やべえよ、そういうの!」





「あ、おぬし、ドキドキしているな?」





「そ、そりゃ、ここ酸素少ないし・・・」





「そっか。・・・だから私もドキドキしてるんだ・・・」





「えっ?」





「ほら。」





「どわわわわっ!」





「何よ、そんなに、かたくならなくてもいいじゃないの」





「な、なんでわかるんだよっ!」





「あ、やだ、そういう意味じゃないよ、もう、えっち!」





「ち、違うよ。お、おれ、やらしい目でなんか見てないよ。お、おまえは、なんつーか、真っ白っつーか、汚れがないっつーか、すごく、すごーく・・・













































































・・・きれいにしますから出してください」




先生「みんな、許してやれ、高木を」

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↑毎日応援してくらさい。
つけたし
posted by 何丸 at 19:39| 男子高生高木伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月13日

「二人三脚」(作品138)

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応援してね

「おい、もう一度真ん中の足からいくからな」




「もう無理よ!何回も転んで、もういやっ!」




「だけど、グランド一周終わらないと教室に戻れないんだぜ。しっかりしろよ」




「フンだ。あたしが悪いみたいに言わないでよ!」




「だって、さっきからやる気がないじゃないか!」




「私たちがうまくできない理由、わかってんの?」




「そりゃ、おまえの運動神経が・・・」




「ち・が・い・ま・すう!あなたのせいですうー!」




「お、俺のどこがワリィんだよ?」




「あなたが、ちゃんと私の肩を抱いてくれないからです!」




「そ、そんなこと、し、しなくたって、で、できるだろ。べ、べつに1等ねらってるわけじゃねえんだから・・・」




「あのね、わたしは、勝ちたいから言ってるんじゃありません」




「じゃ、なんで文句言ってんだよ」




「そんなことあたしに言わせるわけ?いいわ、言ってあげる。いい?一度しか言わないからよーく聞いてね。あたしはずっと、ずっと、ずうっと・・・
















































ひとりぼっちでーす、僕」





先生「先生とやるか、高木」

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↑つけたしを見る前に押してください
つけたし
posted by 何丸 at 00:29| 男子高生高木伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月07日

「席替え」(作品111)

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何丸何位?




「あーあ、前の席のほうが良かったぜ」




「なによ、アタシじゃ不満てわけ?このクラスのアイドル、沙良ちゃんが隣で?」




「い、いや、べつにそうじゃねえけど、女ってわかんねえから・・・」




「へー、高木クンて、けっこうシャイなんだ。カッコイイからモテモテかと思ってたよ」




「カ、カッコイイ?よ、よせやい」




「ふふふ。赤くなっちゃって。カワイ」




「かわいいだと?怒るぞ」




「いやん。もう、男子ってすぐ本気にするんだから。もっと女の子のキモチを考えないと彼女できないぞ」




「彼女なんて、べ、べつに・・・興味ねえから」




「高木クンて、好きな子、いないの?」




「そ、そ、そんなの・・・い・・・言えねえよ」




「あー、ますます赤くなってるぅ。じゃーあー、アタシ、彼女になってあげよっか?」




「ばばばば馬場ばばばばばば猪木ばばばばばばばばばばか言ってんじゃねえよ・・・モニョモニョ」




「ん?なに、さいごのほう、小さい声で?」




「・・・ばか言ってんじゃねえよ・・・・本気にするだろ




「えっ?あ、やだ、なんだろ?おかしいな、わ、わたしまで赤くなってきちゃった・・・」




「お、おれ、ほ、ほんとは、前から、前から、前からずっうっと・・・・・・・・・





















・・・・・・・離れたうしろの席がいいです」




先生「長いぞ、高木」

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みなさまのランキング投票を励みに精進いたします。






つけたし
posted by 何丸 at 01:22| 男子高生高木伝説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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